ウェットクリーニングの絵表示

2016年から導入される新JIS洗濯表示。

このタイミングで新しい洗濯マークが追加されます。

その名も”ウェットクリーニング”。

一般の方には馴染みがない言葉かもしれませんね。

でも、クリーニング店ではこれまでも普通にメニュー化されていた便利なクリーニング方法なんですよ。

まずは新JIS洗濯表示について知っておこう

洗濯マークを覚えましょう

2016年12月から導入される、いわゆる”新JIS洗濯表示”。

管理する消費者庁では、今回の改定によってこのようなメリットがあると言っています。

  • 絵表示の種類が増えることで、よりきめ細かい情報が提供できる
  • 国内外の絵表示が統一されることで、繊維製品の取り扱いを円滑に行うことができる

デザイン性に富み、様々な繊維が使われる昨今のお洋服を適正に取り扱うためには、より多くの情報が必要です。

また、ネットショップの普及によって、並行輸入品など海外製のお洋服を手にしやすくなっている現状を見ても、国内外で統一された絵表示は利便性が高いということですね。

簡単にいうと、繊維製品の種類も購入経路も大きく変わってきてるから、現在の状況にあわせた表示に変更しよう!ってことです。

そんな新JIS洗濯表示はこちらのページで詳しくまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

今までの絵表示はそのイラストを見るとなんとなく意味がわかるようなものもありましたが、新JISはホントに記号のような絵表示が多いので、ちゃんと覚えておかないと意味不明になってしまうのが難点です・・・。

新しい絵表示

それでは本題です。

今回の改定で新しく導入されたのが”ウェットクリーニング”の絵表示です。

丸の中にWが記載されています。

Wet Cleaning(ウェットクリーニング)の頭文字であるWをとってるんですね。

関連する絵表示はこちらの4つ。

絵表示 意味
iso-38 ウェットクリーニングできます。
iso-39 弱い操作によるウェットクリーニングができます。
iso-40 非常に弱いウェットクリーニングができます。
iso-41 ウェットクリーニングできません。

下の棒線の数で洗濯中の力加減が示され、×が書かれたものはウェットクリーニングできません、という表記になります。

ウェットクリーニングとは?

さて、それではウェットクリーニングとは、どのような洗い方なのでしょうか。

先に結論を言ってしまうと、ウェットクリーニングは本来ドライクリーニングするべきお洋服を、水溶性の汚れを落とすために水を使って洗うことです。

さらに詳しく見てみましょう。

ドライとランドリー

クリーニング店での洗浄方法は大きく分けて2つの方法になります。

ドライクリーニング・・・水ではなく溶剤を使って洗う

ランドリー・・・高水温の水洗い

ワイシャツなど強い繊維で作られた衣類は水を使った(場合によっては水温も上げた)洗い方が適しています。

ある程度強い洗浄を行っても型崩れや色落ちがおきにくいからです。

水を使っているので水溶性汚れは落としやすく、油汚れも洗剤や温水を使って落ちやすくすることができます。
しかし、ウールやシルクは確実に収縮や風合い変化、型崩れが起きるので洗えません。

このような洗い方をランドリーと呼んでいます。

対してドライクリーニングは水ではなく溶剤を使って洗うので、ウールやシルクなどを洗っても収縮や風合い変化が起きにくい特徴があります。

ただし、溶剤=油で洗っているため、油汚れは落ちやすいですが、水溶性汚れを落とすのは不得意。

どちらも一長一短なんですね。

そこでウェットクリーニングの登場になるわけです。

ウェットクリーニングの特徴

前途の通り、ドライもランドリーもそれぞれ良いところはあるのですが、全ての衣類や汚れに対応できる洗浄方法ではありません。

一番の問題点は洗濯トラブルを起こさないようにしながらウールやシルク製品に付着した水溶性汚れを落とす洗浄方法がない、ということです。

これを解決しようとしたのがウェットクリーニングのルーツです。

現在ではそれだけでなく

  • デリケート衣類を優しく洗いたい
  • 色落や型崩れを抑えたい
  • ドライクリーニングできない特殊な加工を施した衣類を洗いたい
  • ドライと水洗い両方OKだけど水溶性汚れを落としたい

このような場合に有効な手段として広く使われています。

ウェットクリーニングの一例

それでは実際のウェットクリーニングの工程を見てみましょう。
一例としてスラックスをウェットクリーニングしてみます。

スーツのスラックスはジャケットと違って肌に直接触れるため、多くの汗を含んでいます。

とはいえウール製品ですから水洗いもできず、ドライクリーニングでは汗を落としにくいので水溶性汚れが溜まり続けてしまうのです。

夏場にでもスーツを着る方は、スラックスがゴワゴワして履き心地が悪くなった経験はありませんか?
それはこのような理由だったんですね。

このような場合にウェットクリーニングが活躍します。

クリーニング工程

デリケート衣類用中性洗剤を入れる

まずはウェットクリーニング専用の洗剤を溶かした洗浄液を作ります。

最初に濃い濃度の洗浄液を作ることがポイント。

スラックスを洗浄液に浸す

そこに軽くたたんだスラックスを投入して軽く押し洗いします。

このときに揉んだり擦ったりしてスラックスに負荷を与えないことがポイントになります。

仕上げ剤を入れる

水を入れ替えながら濯いだら仕上げ剤を入れて風合い良く洗い上げます。

髪を洗った後にヘアリンスをつけるのと同じ。
ダメージ補修の役割です。

脱水する

その後短時間脱水して水気を切ります。

続いて乾燥工程ですが、当然乾燥機でグルグル回すようなことはしません。

プレス機で矯正する

まずは濡れたまま専用のプレス機で収縮を矯正します。
その後、自然乾燥で完全に乾かします。

仕上げ工程は縫い目の収縮をチェックします。
必要に応じて矯正しながらプレスを行います。

これでクリーニング完了です。

洗浄工程の特徴

  • 専用の洗剤
  • 手洗い、もしくは専用プログラムで洗浄
  • 負荷をかけずに自然乾燥
  • 収縮を矯正しながら最終仕上げ

このような工程になります。

ウールが縮む理由をこちらのページで確認しておくと、この後の説明がわかりやすくなります。

専用洗剤とは一般でいうオシャレ着用洗剤のような洗剤です。

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このような洗剤は獣毛のタンパク質を除去しない中性になっています。

また、ウールが縮まないような工夫も施されているのが特徴です。

(クリーニング店では業務用の中性洗剤を使っています。)

このような洗剤を使いながら負荷をかけずに洗い切ることで、ウールの収縮を最小限に抑えるのです。

また、起こり得る収縮を洗濯後に矯正するのもポイントになります。

問題点

問題点・・・というほどのことではないのかもしれませんが、ウェットクリーニングは技術や経験が品質の差として表れやすいクリーニング方法と言えます。

それは、ドライクリーニングやランドリーと違い、”これがウェットクリーニング!”という確立された方法がないからです。

前項ではスラックスを洗っていましたが、実際には多種多様なお洋服を取り扱うことになるので、そのクリーニング方法もそれぞれで異なります。

  • 洗剤の種類
  • 仕上げ剤の種類
  • 洗浄方法
  • 洗浄時間
  • 乾燥方法
  • 仕上げの手順

などなど、お洋服の種類や状態、クリーニング店のこだわりなどによってこれらは様々です。

もちろん、ドライクリーニングやランドリーもお店によって違いはありますが、ウェットクリーニングの方がより顕著に表れます。

クリーニング店としても手間やリスクを考えると、ドライやランドリーに比べて難しい技術であることは間違いありません。

ウェットクリーニングするときのお店選びも重要になってくると思われます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ウェットクリーニングはドライでもランドリーでも対応できないお洋服や汚れに特化したクリーニング方法なんです。

今後はこのウェットクリーニングのWマークがお洋服の洗濯表示に記載されることになります。

対応した洗い方が多ければ多いほど、そのお洋服はお手入れしやすいということ。

これからはおい洋服を買うときに「ウェットのマークあるかな?」なんてことも検討材料に入れてみるといいかもしれませんね。

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